俺、牧野樟太22才。転職してタクシードライバーになった。
タクシー会社と言えば、5、60才代の男性が多くしめる、花も色も出会いもないまさに灰色な業種。
そんな職場で、僕は飛びっきりの美女と出会ってしまった。彼女の名前は宮坂美咲。俺と同じ22才。
会社きってのNo.1ドライバーで、才色兼備を体現したまさに高嶺の花。
ところが、彼女には『氷結の黒薔薇姫』という、ちょっと変わったあだ名が付いていた。
──一体どういう意味なのだろうか?
そんなおどろしい二つ名をもつ彼女と僕はある時、同じ班として、そしてある時は教官として接していく機会が増えていく。
「あなた良くそんなので二種免が取れたわよね? 何かの間違いなのかしら?」
「あ、いや······はい。······すいません」
ヒーッ! 怖い!
──おれ、ここでちゃんとやっていけるのだろうか?
しかし、ある時を境に······
「美咲ちゃんですか?」
「······へぁ!?」
「ど、どうしたんですか!?」
いきなり変な声を上げた美咲さんは、顔を真っ赤に染める。
そんな二人が今後どのようにふれ合っていくのか?
大人だけど、どこか少年少女のような青春がいま開幕する。
第一章 タクシー会社にいた高嶺の花
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