工業高校か普通科高校にするかで迷う。工業高校は負け組で人生終了ですか?

子育てネタ

高校受験を目の前にし、いまこういうことで迷っていませんか?


●普通高校に行くのかそれとも工業高校に行くのかどっちがいいのか
●工業高校は負け組で人生終了なのか

●工業高校に行くメリットデメリットはなにか

●工業高校には不良(ヤンキー)が多くて怖いところか

おそらく、工業高校に対する昔ながらの悪いイメージがあるため、いまひとつ前向きになれないという親御さんもおられることでしょう。

そのイメージから、できる事なら子供には普通科高校に行ってほしいと思うかもしれません。

しかし、そんな親の心配とは裏腹に、子供は工業高校へ行くことに前のめり。

もちろん子供の意見は尊重したいけど······。

私も全く同じ思いだったのですが、色々調べたり、学校見学へ行くことで工業高校に対するイメージががらりと変わりました。

そこで今回は、工業高校にあまり前向けではない親御さんにむけ、「実は今の工業高校は凄いんですよ!」という私なりの意見(アピール)を書いてみたいと思います。

この記事を読むことで、工業高校に対する悪いイメージは払拭され、子供と同じく工業高校への気持ちがきっと前向きになることでしょう。

まだ普通科高校に行くのか工業高校に行くのか迷っておられる方は、ぜひ読みすすめて下さい!

※この記事では、わたしが独自に調べ、また体験したことを中心に書いています。必ずこれが正解とはいえませんが、きっと参考になるはずです。

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普通高校に行くのかそれとも工業高校に行くのかどっちがいいのか

結論から言いますと
子供がいま、何をしたいかによって変わってくる
です。

つまり、今現在において子供が将来についてどう考えているか?

例えば
今のところ、自分が何をしたいのか全く分からないのであれば→普通科高校
大学受験まで考える期間をのばす。

大学進学を考えているのであれば→普通科高校または工業高校
大学の進学は普通科が有利だけど、やる気があれば工業高校からもいける。

やりたいことが明確であり、将来〇〇の
仕事(工業系)をしたいのであれば→工業高校を卒業する。もしくは工業系大学へと進学(工業高校なら有利)
働く意欲があれば、資格を取得し手に職をつければ夢に近づける。

やりたいことが明確であり、将来〇〇の
仕事(法律系や医療系など)をしたいのであれば→普通科高校
大学に行かないと取れない資格や、なれない職業があるので大学進学は必要。

など将来が明確であれば、適した道(進路)に進むべきだと私は思います。

とはいえ『自分がどうしたいのか? 』
ということを、ギリギリまで考えることも大事です。

その為にも
・気になる高校の情報を集める
・見学会や説明会に行く
など受験活動に全力をそそぐことです。
【大阪】枚方に行きたい高校が無い!?自分に合った高校が分からない人は読んでみて!

決して、将来、機械系の仕事に就きたいと考えているのに、普通科高校を選ぶというようなミスマッチは必ず避けましょう!

工業高校は負け組で人生終了なのか

工業高校に行くことは全く負け組ではありません!
むしろ、選択肢が増えて楽しみでしかない!
と思っています。

なぜならば工業高校生は、専門知識を学びつつ手に職をつけられる事はもちろん、しっかり勉強すれば国家資格だって取得が可能だからです。

つまり就職に強い!

さらに、詳しくは後ほど書きますが、工業高校には普通科高校にはない工業系大学への指定推薦枠があるという特色もあります。

つまり工業系だって進学ができるんです!

もちろん、どれも勉学にはげむことが大前提ですが、それだけ真面目にやれば道がひらけるということなんです。

工業高校に行くメリットデメリットはなにか

工業高校に行くメリットデメリットは以下のとおりです。

工業高校に行くメリット
●専門的な知識を学ぶとともに手に職をつけられる●国家資格や検定資格の取得を目指せる

●工業高校にはジュニアマイスター制度がある

●礼儀作法が身につく

●工業高校には大学進学の指定推薦枠がある

●大企業への就職枠もある

工業高校に行くデメリット
●工業高校の先生は厳しい●自分に合わない学科に入ってしまったら苦痛

●工業高校には女子が少ない

●レポートに追われる

これらについてもう少し詳しく書いてみます。

専門的な知識を学ぶとともに手に職をつけられる

工業高校ですので技術系の勉強をします。

例えば
・電気科
・建築科
・都市工学科(土木科)
・情報科
・機械科
・理工学科
などが学べます。

もちろん専門科目(技術系)の他にも、普通科目である数学や国語なども勉強します。

1年生のあいだは普通科目の割合が多く、2年生から3年生にかけては専門科目が多くなります。

専門科目といわれると、あまりピンとこないかもしれませんが、中学でいうところの技術の授業をさらに深く、かつ専門的にしたものと考えればいいかと思います。

その専門科目で、専門的な知識と技術を学んでいくわけですが、中学時代との環境の違いから慣れるまで多少の時間はかかるかもしれません。

最近の工業高校生は大学へ進学する人も増えてきていますが、基本は就職にそくした専門的な授業を中心に学んでいきます。

余談ですが、技術系の企業先において、手に職を身につけていない大卒よりも、手に職をもつ高卒の方が重宝されるようです。
4年というアドバンテージは、働くうえで大きな差だといえるのではないでしょうか。

国家資格や検定資格の取得を目指せる

工業高校では専門的な授業を学んでいくとともに、国家資格や検定資格の取得を目指します

国家資格や検定資格を取得する意味として、その専門分野において一定の知識があるという証明になることはもちろん、有資格者でなければその業務に携われない(独占業務)というものもあります。

例として
・測量士/測量士補
・電気工事士一種/二種
・危険物取扱者
・消防設備士
・電気主任技術者
など。

資格を取得することが目的ではありませんが、将来やれる仕事の幅を広げたり、大事な仕事を任されたりするためにも資格取得は重要となります。

なによりも、工業高校で頑張ったという証にもなりますし自信にもつながります。

工業高校にはジュニアマイスター顕彰制度がある

ジュニアマイスター制度とは、工業高校在学中の3年間において、国家資格や検定試験、またはコンクールなどに入賞した者にたいして顕彰される制度です。

ジュニアマイスター顕彰制度は公益社団法人 全国工業高等学校長協会(全工協会)が主催し、工業高校生のみが参加できます。

普通科高校生では経験することの出来ない、まさに工業高校生のための制度です。

ジュニアマイスター顕彰制度は、ある一定の成績をおさめるとランクに応じた賞状(色違い)がもらえます。

ジュニアマイスター顕彰制度のランクと賞状

工業高校では各分野において専門的な技術を磨くとともに、国家資格などの資格も取得します。

各資格はポイントとして区分されており、取得ごとにそのポイントは加算されます。

難しい資格になるほどポイントは高くなっています。
詳しくはこちら→ジュニアマイスター顕彰に係わる区分表(PDFファイルが開きます)

ポイントは合計点が高くなるにつれ受け取る賞状の色(ランク)も変わります。

ジュニアマイスター顕彰制度(表彰区分)
特別表彰(※条件あり) 合計点60点以上
ジュニアマイスターゴールド 合計点45点
ジュニアマイスターシルバー 合計点30点
ジュニアマイスターブロンズ 合計点20点

特別表彰を取るには下記のルールがあります。

※SランクまたはAランクが1つ以上かつ、上位8つの資格の合計点数が60点以上の場合は学校長の推薦で個人特別顕彰を受ける事ができる。個人特別表彰を受けられる生徒は毎年100名ほどであり、その中でも優秀な者を全国工業高等学校長協会理事長賞として表彰し、さらにその中の優秀な者には経済産業大臣賞に推薦される。

引用先ージュニアマイスター顕彰制度(Wikipedia)

高校受験する子供の中には、このジュニアマイスター顕彰制度があるという理由から、工業高校に行くことを決めたという生徒もいるようです。

礼儀作法が身につく

中学から高校へと進学すると、よく聞く話で『先生が厳しい』や『校則にうるさい』などとよく耳にします。

ですがよく考えてみて下さい。
中学を卒業すれば、義務教育が終わり高校生となります。そして、高校を卒業すると就職をする人もいます。

就職をするということは社会人になるということです。3年後には大人の仲間入りです。

その3年後には、礼儀礼節の出来る人にならなくてはならないですし、学校としても礼儀礼節のできる生徒を送り出さなくてはなりません。そして、企業は礼儀礼節のできない人材は必要がないのです。

社会にでれば、いつまでも学生気分ではいられないというわけです。
・挨拶
・目上への言葉づかい
・身だしなみと態度

少なくともこれらを、高校の3年間で身に付けなくてはなりません。

礼儀礼節というものは今日明日とすぐに身につけられるものではありません。

特に工業高校生は卒業すると半数以上が就職します。だから、学校の先生たちは、将来生徒が困らないように時には厳しく、時にはうるさく言うのです。

反発したくなる気持ちも分からなくもないですが、いつまでも子供の気持ちでいると、その先には必ず後悔が待っています。少しづつでいいので、大人の階段を上っていきましょう!

工業高校には大学進学の指定校推薦枠がある

普通科高校に大学進学の指定校推薦枠があることはみなさん既にご存知だとおもいますが、では工業高校においても工業系の指定校推薦枠があることをご存知だったでしょうか?

普通科高校に大学進学への推薦枠があるように、じつは工業高校にも工業系への推薦枠があります。もちろん、工業系以外の推薦枠も少なからずあります。

各工業高校によって推薦枠の多少はあるものの、必ず推薦枠は持っています。

推薦枠をもらうためには色んな条件(成績上位など)がありますが、その条件をクリアさえすれば指定校推薦はもらえます。

指定校推薦とは、簡単に言うとその高校において推薦枠をもらった生徒は、ほぼ100%に近い確率で特定の大学に進学できる制度です。

指定校推薦のながれは以下のとおり

推薦基準を提示された指定校側は、進学を希望する生徒の中からこれらの条件を満たした者を確認し、学内会議を経て最終的に推薦する生徒を絞り込み、推薦された生徒は、大学等での独自試験(書類審査や面接など)によって合否が判定される。公募推薦に比べると、学校間(指定校と大学等の間)同士の信頼関係という土台の上で成り立っており、「合格率はほぼ100%」という特徴がある

引用先ーWikipedia(指定校推薦)

もし、『本当は大学に行きたいのだけど、工業高校だしな······』と思っているなら、それは間違いだということです。工業高校でも、大学進学の道はひらけてるということです。

大学の一般入試は難しいですが、日頃より勉学に励み成績を積上げれば推薦枠がもらえる可能性があります。工業高校での大学進学を考えているなら、狙ってみるのもありかと思います。

大企業への就職枠もある

高卒ではいい職には就けない。
よくて二流の企業にしか就職できないと思われがちですが、実はそんな事はありません。

例えば大阪府で有名な工業高校都島工業高校では、一流企業や公務員への就職枠があります。
大阪府立都島工業高等学校の進路状況

実際、進路先を見てみると関西電力や大阪ガス、電鉄といった大企業の名前があります。

さらに、国家公務員や地方公務員も何名かの生徒が入庁や入職をされています。

これらは学校の信用と信頼、OB・OGたちが築き上げてきた功績であることはもちろん、工業高校(技術職)ならではのメリットでもあります。

大卒でも就職の難しい大企業や公務員であっても、学業を頑張れば工業高校卒業でも就職できるということです。

以上が工業高校のメリットです。
お次は工業高校のデメリットです。

工業高校の先生は厳しい

上記の【礼儀作法が身につく】でも書きましたが、高校生になると先生は厳しくなります。義務教育も終わり、就職する手前の学生ですから厳しくなるのも頷けるはずです。

それは普通科高校においても同じなのですが、しかし普通科高校に比べ、工業高校はさらに厳しくなります。

その理由として
・就職するまでに社会人としての礼儀作法を身につけさせるため(卒業後、就職する生徒が多いため)
・危険をともなう実験を行うこともあるので、間違ったときは厳しく注意をされる
・工業系=技術職なので職人気質の先生が多い(主観)

高校生になり、その厳しさにはじめは嫌気がさすかもしれません。それも自分の将来のためだとわりきって、受け入れるようにしましょう。大丈夫です、すぐになれますから!

自分に合わない学科に入ってしまったら苦痛

例えば
【1】適当に〇〇科を選んでしまった
【2】〇〇科に入ったものの、何かちがった。面白くない
【3】物作りが苦手だと気づいた

これらの理由から、〇〇科に入ったことに後悔し、その辛さから高校を中退する生徒もいるそうです。

そうならないためにも、高校受験前にしっかりと下調べをする事がとても大事です。そして、子供とじっくり話し合ってから、進むべき高校を決めるようにしてください。

今の時代はYoutubeなどで、〇〇科の様子や〇〇の仕事の様子などの動画が沢山ありますので、あらかじめ見ておくことが大事です。

工業高校には女子が少ない

言わずもがな、工業高校は女子が少ないです。
一割の人数が居るかいないかと、いったところではないでしょうか。

男子目線でいうと、恋愛的な意味で青春を謳歌しようと考えているなら、工業高校は少し難しいものがあるかもしれません。

反対に女子目線でいうと、女子が少く心細いかもしれません。

レポート作成に追われる

工業高校といえば実習。
実習といえばレポート。

中学時代にはなかったレポートだけに、苦戦を強いられる生徒は数多くいます。

さらに、そのレポートを期限までに提出しないと赤点となり、最悪進級が危ぶまれるため、みんな血眼になって作成します。

生徒よっては、自分の自由な時間が削られストレスに感じる子もいます。

しかし、このつらい経験は将来になって必ず役に立ちます。そう、若いうちは苦労を買ってでもしろです。

はじめは辛いかもしれませんが、いつか必ず慣れてきます。それまでの我慢です。

工業高校には不良(ヤンキー)が多くて怖いところか

一昔前は、工業高校といえばヤンキー(不良)が行くところというイメージがありました。

『今の時代も変わらないのでは? 』 と私もはじめは思っていましたが、最近の工業高校は昔と違い荒れた学校は少ないようです。

各学校のホームページを閲覧するに、必ずと言ってよいほど、いじめ対策への取り組みについて書かれております。

ネットの口コミ(掲示板)を見ても、各学校においていじめのひどい学校はあまり無いように思えます。

実際は、表に出ないだけで実のところ多少のいじめはあるかもしれませんが、しかし昔のような露骨なものはなく、いまは安全に学校生活がおくることが出来そうです。

終わりに

進路に失敗する原因の1つに、将来のビジョンが見えていないからではないか? と私は考えています。

とはいえ、まだ中学の子供に将来ことについて考えろというのも酷な話ではあります。

でも、だからといって何もせずに、何も考えずに、何となく高校受験という選択は、子供の将来にとってもよくありません。

ですので、中学生になってから少しずつでいいので将来のことを考えさせ、そして親の言いなりにさせることなく、ときには自分で行動させる力をつけさせるべきだと思います。

中学生とはいえまだ子供です。そこは親御さんが人生の先輩として、相談にのったり、時にはアドバイスをしてあげてください。

高校受験は子供と一緒になって情報をかき集め、イメージをふくらませてあげる事がとても大事だと思います。

【大阪】枚方に行きたい高校が無い!?自分に合った高校が分からない人は読んでみて!

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