タクシー運転手の親をもつ子供は、その事についてどう思っているのだろうか?
タクシー会社に転職しかれこれ20年以上が経ちます。一時、タクシー運転手から離れたときもありますが、だいたいそのぐらいの経歴を重ねています。
その20年の間で子供にも恵まれました。
自分が歳を重ねと同時に子供もまた成長していきました。そんなある時、ふとあることを思うようになったんです。
それは
子供から見て、親がタクシー運転手である事についてどう思っているのか?
何故そう思ったのかと言うと、世間から見たタクシー運転手は底辺だからです。
タクシードライバーは底辺の職業で恥ずかしい事なのか?
だから、周りの人から何か吹き込まれ嫌な思いをしているのではないか? と常々不安になることがあるのです。
そんなわけ今回は
タクシー運転手の親をもつ子供はどんな思いでいるのか?
について書いてみたいと思います。
あ、あと、たまたまお父さんがタクシー運転手だったと言うお客さんを以前お乗せしましたので、その事についても書いてみます。
タクシー運転手の親を持つ子供は不幸なのか?
上記にも書きましたが、タクシー運転手は底辺なので(自分ではそうは思ってない)、もしかしたら、そのせいでいじめにあっていないだろうか?
と、子供が成長するにつれて思うようになったのです。
一応誤解のないように言っておきますが
私はタクシードライバーとしてプライドを持っています。
そして市民の足を守っている、いわば社会に貢献したれっきとした職業であると強く思っています。
でなければ20年以上も続きません。
話がそれましたが、今のご時世、世間が見る(思う)タクシー業界はどうでしょうか?
タクシーは電車やバスの運転手より格下に見られている節があります。
タクシー運転手といえば
・低所得者
・ギャンブル好き
・接客が横柄
・そのくせして値段が高い
など、タクシーに対する社会の目は冷やかです。
もちろんみんながみんなそう見ているとは思ってはいませんが
でも、過去の裁判でもありましたように
『タクシー運転手は“クモスケ”』
と、威厳のある裁判官ですら過去にそう言った経緯もありますからね。
さらにこのブログで何度も書いていますが
『若いのに他にいい仕事が無かったのか?』
といった明らかな偏見もあります。
『何で若いのにタクシー運転手やってんの?』ってまた言われた。もう差別だよね?
でも、タクシー運転手がどう思われようと、市民の足を手助けするれっきとした公共性の高い職業です。働く者の志が高くその職務に全うしておれば、なんら後ろめたいことなんて何一つないんですよ。
だから、タクシー運転手の子供が不幸だなんてあり得ません。むしろ胸を張るべきです。
親の職業への憧れに疑念を抱くときがやってくるのか?
ちょっと話はそれますが、子供が大きくなるにつれ、自分の父親の仕事が何であるか意識するときが必ずやってきます。
私の父は調理師で、幼い頃、母に連れられ父の働くお店へいき食事をしたことがありますし、父の職場で手伝いをしたこともあります。
父を憧れそして尊敬し、他人に自慢ができる親だったと記憶しています。
なら、私がタクシードライバーであり、子供が大きくなったとき、世間から見た“タクシー”というものが理解できたうえで、私への憧は無くそれどころか失望をするのでしょうか?
そのように心配した時期が私にはありました。
ある女性のお客様の一言
そんなある時、とある女性のお客様が自分のタクシーにご乗車されました。
いろいろ話をするうちにあることが分かりました。
そのお客様、実は幼い頃、お父様が【タクシードライバー】をされていたと言うではありませんか!
ふと、その時私の聞きたかった
【タクシードライバーを持つ子供の思い】
を聞けるのではないか? と思った訳です。
本来、お客様のご家庭(プライバシー)の事はあまり聞くべきではないところでしょうが、いま私にとって必要な事だと思い、その旨を伝えると快く話してくださいました。ありがとー!
『お父様がタクシードライバーであることについて、嫌ではありませんでしたか?』
『全く嫌ではありませんでした。むしろ、一度もそんなことを思ったことはありませんよ』
続けて
『むしろ家族のために一生懸命頑張ってくれていましたので、ありがとうという気持ちで一杯でした』
そして、その気持ちはお父様が引退するまで思っていたそうです。
さらに
『父が休日の日、プロの運転する自動車にタダで乗せてもらってたわけですから、なんだか得した気分ですよね(笑)』
いや~、この時ばかりは込み上げるものがありましたね~!
なんというか自分の重い気持ちが昇華されたような気がします。
なら、これからの私は子供に対して胸を張って前進すれば良いのではないか!
それ以来の私は、家族の為に
『一生懸命に働き、そしていつか子供がお父さんのタクシーに乗りたい』
そんな日がいつか来ることを楽しみに、毎日頑張っています。
もし、私のように子供ことで悩んでいる若いドライバーさんがいるならば、このブログ通じ少しでも気持ちが楽になってくれたらうれしいです。
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